🕊️ふくしまものがたり🕊️
〜どんなものにも物語(ストーリー)がある〜
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第3話
日蓮宗 法紹山浄光寺
〜 寺子屋 円 madoka 〜
2023年5月12日 会津若松市
日蓮宗
法紹山 浄光寺 / 寺子屋 円 madoka
会津若松市宝町にある浄光寺。
会津松平藩初代藩主 保科正之公の御生母である浄光院殿法紹日慧大姉(徳川2代将軍秀忠側室・お志津の方)の菩提寺だ。
日蓮宗 法紹山 浄光寺は会津若松市宝町にある
鬼子母神堂(旧釈迦堂)
寛文5年建立。当時の城下では最大規模を誇る寺院の一つだったが、戊辰戦争の時に唯一兵火を逃れ、創建時の原形を保つ。
海老名リン女史像
海老名リン:嘉永2年生まれ。父は会津藩士日向新介。
明治26年会津に県内で最も早い私立の幼稚園「若松幼稚園」「若松女学校」を創立し会津の子女教育に尽力。
海老名家の菩提寺である浄光寺に昭和7年建立された。
ここでは、毎月定期的に寺子屋 円〜madoka〜を開催している。
浄心写経や太極拳のほか、記念イベントとしてパワーストーン作りやお守りづくりなど趣向を凝らした催しが行われている。
これまで開催された寺子屋madokaの企画イベント
あなただけのパワーストーンお守りづくり
MIMAMORIづくり
編集長・小野寺もほぼ毎月写経に通っているご縁で、今回は副住職である大島英翠さんにお話を伺うことができた。
浄光寺副住職 大島英翠さん
毎月開催されている浄心写経
丁子(クローブ)の実と塗香
手と口を清めるため塗香を手に塗り、丁子(クローブ)の実を口に含みながら写経をする
(※コロナ以降は塗香のみ)
住職は英翠さんの母・豊扇さん。
豊扇さんも浄光寺の娘で、英翠さんは母が住職になる前から信仰深い姿を、ずっと見続けてきた。
左)浄光寺副住職 大島英翠さん
右)浄光寺住職・大島豊扇さん
二人とも浄光寺の娘として生まれた
それでも、仏門に入るなんて全く考えていなかった20代。
業界一厳しいと言われるアパレルメーカーで仕事をしていた。
そして結婚を機に地元の会津若松市へ帰ってきた。
様々な経緯を経て、自身が仏門に入ることになったが、決して容易なものではなかった。一番ネックになったのは剃髪。髪を剃ることだったという。まさに未知の世界。子供は小さく、学校に行ったときにどう思われるか。覚悟を決めるには勇気のいることだった。
昔から信仰深い母の姿を見てきて、生半可な気持ちでは出来ない、相当の覚悟を持って望まなければならない仕事だということも分かっていた。
苦悩、葛藤に真摯に向き合い、自身でしっかりと乗り越え、最後の35日間の修行で総本山である身延山に入る頃には「もう髪の毛なんて、どうってことない」という気持ちになったそうだ。
今は、仏門に入ったことで「とても生きやすくなった」と話す。
教師の資格を取得後、すぐに寺子屋を始めた。
とにかく気軽に浄光寺に足を運んでもらえる機会を作りたかった。
実際に寺子屋を開いてみると、檀家さんだけでなく一般の方も多く参加することとなった。
心安らぐ時間や、静かに自分と向き合うことを多くの方が求めているのだと感じた。
今、世の中は忙しい。とにかく、せわしない。
スマホは一人1台。ずっと「つながり続ける」ことが出来る。
安心かもしれない。寂しくないかもしれない。けれど、時々疲れてしまうこともあるのではないか。
時に「常時接続」をシャットダウンして、自分自身に向き合う時間がとても大切だと英翠さんは話してくれた。
煌びやかな空間。
ここに足を踏み入れるだけでも非日常を味わえる
「マインドフルネス」
― 今、この瞬間、
たった一つのことに集中する ―
簡単なようで実は難しいのだが、今を生きる私たちにはむしろ、作るべき「時間」なのだと思う。
その為に、浄光寺の「寺子屋 円madoka」の講座がある。
英翠さんは「寺子屋に来ていただくのは、あくまでも方便(手段)であって、たとえ毎回来ることができなかったとしても、いつも門を開いた場所がここ(浄光寺)にあると思ってくれたら良い」と話す。
浄心写経の様子。まさにマインドフルネスの状態になる。
心の拠りどころがあるというのは、素晴らしいことだ。
ふとした時に、思い出す場所。
自然と足を踏み入れたくなる場所。
その一つに、「浄光寺」があってほしい。
優しい笑顔の奥に、強く清らかな心を感じた。
浄光寺 〜寺子屋 円madoka〜
副住職 大島英翠 さん
会津若松市宝町にある日蓮法紹山 浄光寺
浄光寺では写経や太極拳など様々な講座
寺子屋 円 madokaを開催しています。
『円(まどか)』とは、
まあるいこと、仏のこころ。
誰でもみんな持っている、まあるいココロ。
今ここにいる自分の、
そんな『円なるココロ』を見つけませんか。
日蓮法紹山 浄光寺
会津若松市宝町4-25
TEL 0242-27-5181
取材 小野寺彰子