🕊️ふくしまものがたり🕊️
〜どんなものにも物語(ストーリー)がある〜
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第7話
TESORO.accessory (テソロ)
2023年5月31日 会津美里町
会津美里町本郷地区に出来たCOBACO〜コバコ〜
ここに会津本郷焼のカケラ「じゃらんかけ」を使ったアクセサリーのお店がある TESORO.accessory
TESORO.accessory 店主・渡部未来さん
店主の渡部未来(みらい)さんは、会津若松市生まれ。
友人から地域おこし協力隊という制度があると聞き、転職を考えていた渡部さんは、会津美里町にやってきた。
協力隊の仕事をしていて自然と目に入ったのが、本郷焼きのカケラ「じゃらんかけ」だ。
家の庭先や、街の中を流れる水路、など至るところに落ちている。焼き物の街ならではの光景になっている。
地域おこし協力隊当時の渡部さん。
昔、窯元が多く存在していた頃、不要な焼き物を処分するような場所が整備されているわけではなかった。
自分たちで庭などに穴を掘り、埋めていたそうだ。
それが時を経て、今私たちの目に止まり、形を変えて愛される品物になるのだから不思議だ。
街の至るところで見つかる焼き物のカケラ「じゃらんかけ」
今の時代にはないデザイン。なかには、そのままのカタチが残っていることもある。ブルー系のカケラが多いのは呉須という顔料が使われているからだが、なかには暖色系や淡いパステルカラーのじゃらんかけも見つかる。
お店のカウンターには、じゃらんかけが埋め込まれている
「なんて素敵なんだろう」
美しい色や紋様のある焼き物のカケラ。
何かに生まれ変わらせることは出来ないか。
そこでまずレジンチャームを作るワークショップを通して、多くの人に会津本郷焼の魅力を伝えた。そして身につけるものが欲しいとアクセサリー作りへと発展する。しかし、アクセサリー作りをしたことがなかった渡部さん。研磨する道具や金具の種類、分からないことだらけだった。
別々のカケラを繋ぐために、日本で古くから伝わる手法・金継ぎを一から学んで修得し、アクセサリー作りに活かした。
金継ぎの技術を活かしてカケラを繋 げていく
そして、TESORO.accessoryのアクセサリーが生まれる。
唯一無二。同じものは一つとない。
数十年、数100年という時を経て新たな命を得たじゃらんかけは、伝統を大切にしながら、軽やかに時代を飛び越えて今にしっくりと馴染んでいる。
同じものは一つもない。TESORO.accessory のアクセサリー
TESORO(テソロ)はスペイン語で「宝物」という意味だ。渡部さん自身、街の中でじゃらんかけを探している時、まさに宝探しのような気分になるという。そして、手に取った人全ての「宝物」になってほしいという願いも込められている。いつか海外の人にも届けられたら、という夢も語ってくれた。
さぁ、あなたも。
宝物を探しにTESORO.accessoryへ
ご協力いただき、ありがとうございました。
取材 小野寺彰子