🕊️ふくしまものがたり🕊️
〜どんなものにも物語(ストーリー)がある〜
福島県の応援したい、多くの人に知ってほしい活動、
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第4話
寺子屋キッズ21・しゅくだいカフェ
2023年5月24日 会津若松市
会津若松市七日町通り。
人の多く行き交う街の中に、一際賑やかな場所がある。
-寺子屋キッズ21・しゅくだいカフェ-
小学生の子供たちが、学校帰りに立ち寄る場所になっている。
現場スタッフの山口増美さんにお話を伺った。
この場所でのルールは、
「宿題を終わらせてから遊ぶこと」
けれど、それが一番大切だという。
家に帰ってくると、家族は「宿題をやりなさい」という会話から家での時間が始まる。
言われた側も、「今やろうと思っていたのに!」と、先に言われてイヤな気分になる。そしてだんだん億劫になり先延ばしにしていると、また言われる。そのうち口論するようになるかもしれない。想像するだけでもつらい。
-せっかくの家族との時間を、そんな悲しいやり取りに使ってほしくない-
その想いから寺子屋が生まれた。
宿題が終わってから遊ぶのが「寺子屋」のルール
寺子屋で宿題を済ませて家に帰れば、家族も心に余裕を持って子供たちに接することができる。
今日は学校でどんな勉強をしたの?
友達とは何をして遊んだの?
楽しかったこと、面白かったこと、
悲しかったこと、悩んでいることはあるかな?
色々な話ができる。
「ぶつかり合い」ではなく、「コミュニケーション」になる。
これはとても大事なことだ。
寺子屋の代表は、Pic Upふくしまでも取り上げた「ふつうのしょうが焼き屋さん こぶたや」の店主である竹重智さんだ。
自身もシングルファーザーとして子育てをした時代、非常に苦労した。
だからこそ、子どもや親、家族に、苦しい思いはしてほしくないと願う。
「たけせん」の愛称で子どもたちにも頼りにされる竹重さん
運営は、企業や個人からの寄付、そしてこぶたやの定食を食べると、一部が寺子屋の運営費として充てられる。
またボランティアスタッフの力も欠かせない状態だ。
竹重さんらは、子供たちの過去も現在も未来まで、見据えている気がする。
学校帰りに、友達と話したことや遊んだこと。
分からない宿題を一緒に考えたり、寺子屋で出会った違う学校の子たちと過ごした時間。
大人になるまでの何十、何百という時間をどうやって使うかは大事だ。
子供こそ経験しなければいけないことや、味わえる感覚がある。
それを疎かにしてはいけない。
一緒に楽しんだり考えたり悩んだりした時間は、成長した時にふと蘇るものだ。
毎月おやつの日が催されるほか、ハロウィンパーティなど季節の行事が盛りだくさんだ
小学生時代、この寺子屋で過ごした子供たちは、中学生になってからもイベントの手伝いや利用している子供たちの面倒を見てくれたりすることもある。
寺子屋での時間が楽しかったから。
また遊びに来たくなるような場所だから。
そう話してくれる卒業生がたくさんいる。
―いつでも、行ける場所―
心安らぐ場所があるというのは、どんなに素敵なことか。
寺子屋でのびのびと遊んで、はしゃいでいる今は、ピンとこないかもしれないが。
でも、それで良い。
その位が良いんだよ。
子供たちの宿題に目を通しながら、温かく見守る竹重さんや山口さんから、ふと心の声が聞こえた気がした。
寺子屋キッズ21・しゅくだいカフェ
山口 増美 さん
「寺子屋キッズ21・しゅくだいカフェ」は、会津若松市七日町の子どもたちが放課後に集まる
サードプレイス(家庭、学校に続く第三の居場所)です。「宿題を終わらせてから遊ぶこと」が寺子屋でのルール。
そうすれば、お家で家族との時間を大切に出来るのでは?そんな想いを先生を務める山口増美さんにお話を伺いました。
寺子屋を運営するための寄付、ボランティアスタッフも受け付けています。
七日町にある「ふつうのしょうが焼き屋こぶたや」さんで食事をすると、1食につき100円寄付されます。
開館日 平日月曜日〜金曜日
(土日・祝祭日はお休み)
利用時間 15:00〜19:00
対象 小学校1年生〜小学校6年生
問い合わせ 0242-22-9417
ご協力いただき
ありがとうございました。
取材 小野寺彰子