🕊️ふくしまものがたり🕊️
いま知りたい、知ってほしい物語(ストーリー)
福島県の応援したい、多くの人に知ってほしい活動、
人々、モノ、コト、を紹介しています
第16話
一般社団法人 日々文庫
代表理事 なかはたよしこ さん
2024年9月 郡山市
対談 = なかはたよしこさん × irodori編集長・小野寺
豊かな心で生きるために
いま、絵本が注目されています。
「絵本」といえば、
子どもが読む本。親が子どもに読み聞かせる本。
そんなイメージがありませんか?
絵本には実はもっと広く、
奥深い世界が潜んでいます。
色鮮やかなイラストや優しい言葉の中には、
大人でも思わずハッとさせられるメッセージや、
人生の教訓が隠されていることも少なくありません。
絵本には、
子どもたちの想像力を育むと同時に、
大人の心にも静かに語りかけてくる
チカラがある。
このような絵本の魅力を伝える
様々な活動を行っているのが、
一般社団法人 日々文庫の
代表理事・なかはたよしこさんです。
イベント開催の様子。
暮らしに絵本のススメ
絵本の『絵』は彩りを与えてくれます。
絵本の『言葉』がエールになります。
絵本の『余白』は想像を膨らませてくれます。
絵本は『温もり』を残します。
絵本は心を成熟させる1つのツールです。
絵本のもつ癒しと対話の力
日々文庫のサイトの冒頭には上記のような
メッセージがあります。
大人が絵本を読むことは
心身に様々な良い影響を与えます。
絵本の穏やかな物語や美しいイラストは、芸術作品と言っても過言ではありません。
日々のストレスを和らげ、
心を落ち着かせる効果をもたらします。
シンプルな表現やストーリーは、
普段使われていない感性を呼び起こし、
想像力や発想力を豊かにします。
そして絵本を通じて得られる新たな視点や気づきは、
自己理解を深め、自己成長へ繋がるきっかけになります。
また幼少期に親しんだ絵本を大人になって
再び手に取ると、その懐かしさや温もりとともに、
当時とは異なる視点で絵本の世界を捉えることができます。
この体験は、自己の内面と向き合い、自身の成長を感じる瞬間でもあります。
なかはたさんは、絵本を単なる「子どもの本」としてではなく、
子どもにも大人の心にも良い影響をもたらし続ける1つのツールとしての認知を広げています。
活動として「ことばのレシピ」や「ことばめぐり」といった
大人向けの絵本を使った参加型ワークショップや、読み聞かせイベント等を随時開催されています。
絵本の持つ力をより深く多角的に探求するため、
なかはたさんは絵本セラピスト®等、絵本に関連する資格を取得しました。
絵本セラピスト®は、絵本のチカラを借りて「絵本でうっかり世界平和」を目指し、目の前の人を笑顔に導く案内人です。
メンタルケアサロン『on.』の開設
ますます高まる、メンタルケアの重要性
なかはたさんのメンタルケアサロン『on.』は、
心の奥に眠っている感情を引き出し、対話を生み出す場です。
2024年現在、日本国内ではメンタルヘルスケアに対する需要が高まりつつある一方で、実際にカウンセリングを受ける人の割合はまだ低い状況にあります。
これには、心の不調に対する社会の偏見や、受診に対する抵抗感が根強く影響しています。心の不調を理由に通院している人は全体の28%程度であり、残りの70%以上の人々は未治療のまま放置されていることがわかっています。
欧州では、WHOやEUが中心となり、精神的健康を守るための包括的な取り組みが進められています。
地域でのメンタルケア推進や心の不調に対する社会的偏見をなくすことに力を入れ、各国間での最良事例の共有や、オンラインツールを用いたセルフケアの支援など、多面的なアプローチを展開しています。
そのような流れから
日本国内の大手企業でもメンタルヘルスに関する取り組みが増えてきてはいますが、
実情はカウンセリングを利用することに対するハードルが高いことや、企業が従業員のメンタルヘルスをどのように数値化し、予防対策を投資として捉えることができるかといった課題もあります。
一方で、厚生労働省も「令和6年版厚生労働白書」において「こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会」をテーマに掲げ、社会全体でメンタルヘルスの理解を深め、サポート体制を整えるための取り組みを強化しています。
これには、地域や職場でのメンタルヘルスケアの推進、予防教育、社会全体の意識変革に向けたアプローチなどが含まれています。
総じて、メンタルヘルスの重要性は認識されつつあるものの、カウンセリングサービスの利用率が低く、活動の規模も限られているのが現状です。これからは、メンタルヘルスケアに対する社会的な理解を深め、相談しやすい環境づくりを進めることが求められています。
多かれ少なかれ、仕事や人間関係、日常生活の中で蓄積されるストレスや不安、心の奥に潜む悩みなど、誰しもが精神的なケアを必要とする時はあります。自分で解決できないまま、問題を抱えたまま過ごす人も少なくないはずです。
カウンセリング ✖️ 絵本の処方箋
私たちは、心の問題を軽視せず、
心と体が一つに繋がっているという考えのもと、安心感のある環境で、リラックスしながら心を解放し、自分自身と向き合う時間が必要です。
日々の生活に忙殺され、自己のケアを後回しにしがちな現代人にとって、心と身体のバランスを取り戻すことは、新たなスタートを切るための重要な一歩となるでしょう。
郡山市愛宕町にあるメンタルケアサロン『on.』
(CREO内Room1要予約)
(守秘義務を厳守しております。
ご相談の内容はご本人の承諾なしに外部に漏れることはありません。)
時に絵本を媒介とすることで、言葉にできなかった思いを自然と表現できたり、自分の考えや感情を共有することができるようになるのかもしれません。
またメンタルケアサロン『on.』では、オプションで
「絵本の処方箋」として選書サービスがあります。
カウンセリングを経て、
一人ひとりに合わせたとっておきの一冊を選書してくれます。
その一冊が、あなたの心にそっと寄り添い、時には励まし、時には癒しを与える存在となり、
日々の暮らしに静かな喜びをもたらすことでしょう。
なかはたよしこさん(右)と irodori編集長 小野寺(左)
ポッドキャスト「irodoriのおと」ではオフトークを配信しています。
ぜひこちらもお楽しみください
ご協力いただき、ありがとうございました。
取材 小野寺彰子
文 佐藤真由美